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秋季合宿 第1日目

  • 執筆者の写真: ホームページ1 人間塾
    ホームページ1 人間塾
  • 2025年12月16日
  • 読了時間: 3分

更新日:2025年12月21日

2025年9月20日・21日に、人間塾の秋季合宿を開催いたしました。山中湖畔の静かな研修施設をお借りして、塾生たちは緊張しつつも、自然の恵みに感謝しながら過ごす二日間となりました。

第一日目のレポーターは、第13期生の馬部壮太良です。是非ご一読ください。

塾長・仲野好重


人間塾第13期生 馬部壮太良

(国際基督教大学3年)


去る9月20日、山梨県山中湖のサレジアン・シスターズ山中霊性センターにて秋季合宿が開催されました。江戸三十三観音巡り以来、久しぶりの合宿でした。塾生たちの間では、緊張した面持ちが見られましたが、「私たちなら乗り越えられる」「自分を深く見つめ直そう」といった意気込みにあふれていました。今回の合宿では、塾生一人ひとりが「なぜ学ぶのか?」という根源的な問いに立ち返り、その意味や本質を改めて考える貴重な機会となりました。特に合宿初日には、詩人ジョン・キーツの「ネガティブ・ケイパビリティ」という概念を深く理解する時間となりました。


食卓を囲んで
食卓を囲んで

この概念は、キーツが弟に宛てた手紙の中で「性急に答えを求めず、不確実性や疑いの中にじっと耐えながら存在できる能力」として表現したものです。言い換えれば、目の前の問題に対して安易に答えを急ぐのではなく、答えのない問いを前に、考え続ける姿勢を示しています。キーツは数々の名作を残したシェイクスピアを深く尊敬しており、シェイクスピアにはネガティブ・ケイパビリティが存在していた、と確信していたそうです。


今回はキーツだけでなく、ネガティブ・ケイパビリティを広めた精神分析者のウィルフレッド・ビオンについても学びました。ビオンは精神分析の過程で、言葉の裏にある感情を意識し、無意識の領域を探るために思考を巡らせ続けました。この思考過程こそが、まさにネガティブ・ケイパビリティの実践であったと言えます。仲野塾長は、塾生が理解しやすいように、ネガティブ・ケイパビリティが発揮される問題として、iPS細胞における倫理問題や人工妊娠中絶薬の販売、機械の兵器的利用などを具体例として示しました。そして、ネガティブ・ケイパビリティこそが、容易に答えがでない複雑な倫理的・哲学的課題に取り組む際に、求められる能力であると強調されました。


問いと向き合う
問いと向き合う

次のセッションでは、塾長がご自身の経験を通じて、ネガティブ・ケイパビリティについて語られました。大学院時代に教授と交わした議論や人生の意味を考え続けた日々のお話は、特に大学院への進学を志す塾生たちにとって貴重なものだったと思います。塾長は、学問とは既存の知識を吸収するだけでなく、導いてくれる恩師の生き方をも吸収するつもりで向き合うべきだと説かれました。


合宿での濃密な一日を通して、私は自らの人生について深く考えることができました。人間塾と出会い、自分の人生の意味を問い始めたこと自体が、まさにネガティブ・ケイパビリティの始まりだったと気づきました。将来の見通しが立たないことに悩み、答えのない問いに苦しみながらも、ネガティブ・ケイパビリティという概念を知ったことで、苦悩の真っ只中にあっても人生の意味を模索し続ける新たな姿勢を学ぶことができました。


これからの大学生活では、学問を通じて多面的なものの見方を養い、社会を多角的に捉える力を培いたいと考えています。現在、私の学んでいる生物学と経済学を結びつけるには、答えのない問いに粘り強く向き合う姿勢が不可欠です。大学は教授と議論を交わす場であると捉え、既存の知識を吸収するだけでなく、新たな視点を得るために勉学に励んでまいります。自分の人生においてもネガティブ・ケイパビリティを発揮し、答えなき問いと向き合い続けたいと思います。

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