第ニ回目東京講演会レポート
第13期生 馬部壮太良
(国際基督教大学4年)
去る10月4日、今年度2回目となる塾長講演会が開催されました。前回に引き続き、塾長講演会のテーマは、「ゆるぎない自分で生きる〜風の時代の人生行路を考える〜」です。AI技術の急速な進化やシンギュラリティの到来が予測されるなど、大きな変化と不確実性に晒される現代社会において、いかに「自分の軸」を持って生きるかについて学びました。

今回の講演では、13世紀という混迷の時代を生きたアッシジの聖フランシスコと明恵上人の生き方が紹介されました。西洋と東洋という全く異なる世界にいた二人ですが、権力や富から距離を置き、自然に寄り添い、祈りを生活の中心に据えていた点で共通しています。特に印象的だったのは「所有しないことから生まれる自由や豊かさ」と「力で支配しようとせず、自分の弱さを引き受ける姿勢」です。現代社会では、お金や情報、地位などをより多く所有することが豊かさと考えられがちですが、両者は力で無理にコントロールしようとせず、自然や他者といった「自分を超えたもの」の声に耳を澄ませて生きる大切さを説いていました。欲望を抑え、相手を許し分かち合う姿勢は、現代を生きる私たちにとって非常に大切な「心のあり方」だと思います。

この講演を通して自分自身を振り返ると、私自身が無意識のうちに所有の量や効率、目に見える成果ばかりを追い求め、人生を自分の思い通りにコントロールしようとしていたことに気づかされました。やりたいことや達成したいことを優先するあまり予定を過剰に詰め込み、「自分は何でもできる」という慢心から、謙虚な姿勢や心の余白を欠いていたのではないかと感じます。その結果、予期せぬ変化に対しても寛容になれず、「許し」や「分かち合い」の心を忘れてしまっていたのではないかと痛感しました。

不確実で変化の激しい風の時代だからこそ、過度な執着を手放し、自らの弱さを受け入れるしなやかさが必要です。自分だけを世界の中心に置くのではなく、心を静めて周囲の声に耳を傾け、他者とともに開かれた姿勢で歩んでいきたいと、気持ちを新たにする貴重な講演会となりました。



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