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第9回ヤングセミナーレポート

7月17日
読了時間: 3分

人間塾第12期生 佐々木果音

(国際基督教大学大学院)

 

 去る7月9日、第9回ヤングセミナーが開催されました。今回は、課題図書であるパウロ・コエーリョ著『アルケミスト』を題材に、塾生それぞれが作品から受け取ったメッセージや印象について自由に意見を交わしました。


心を開いて
心を開いて

 『アルケミスト』は、「自分だけの宝物」を探し求める羊飼いの青年サンチャゴの旅を描いた物語です。人生の目的や夢を追い続けることの意味を、寓話的な語り口で問いかける作品として、世界中で読み継がれています。


 はじめに仲野塾長から、「作品の印象を一言で表すとしたら何ですか」と問いかけがあり、塾生からは「人生」「運命」「自分自身の解放」といったさまざまな言葉が挙げられました。この背景には、人間塾で日々学んでいることや大切にしている価値観と重なる部分が多いという実感があったように思われます。コエーリョの描く世界観は広く、多層的であり、人を歴史の構成員として、また宇宙とのつながりのなかで捉えている点に特徴があります。物語のなかで何度も登場する「宇宙の言葉」は、言語や文化の違いを超えて通じあうものであり、心を開くことで理解できるものとして描かれています。サンチャゴは旅の途中で、だまされて無一文になったり、クリスタル店で働いたり、女性と恋に落ちたりと、さまざまな経験を重ねます。一見すると、それらは夢の実現から遠ざかる寄り道のようにも思えますが、その一つひとつが偶然を装った必然であり、「宇宙の言葉」を聴き、それぞれの過程を経ることで、サンチャゴは少しずつ「自分だけの宝物」へと近づくことができるのです。


耳を傾ける
耳を傾ける

 コロナ禍の中で大学に入学した私は、当初、思い描いていた学生生活を送ることができませんでした。人と会うことも制限され、文化芸術に触れる機会も失われた数年のなかで、やる気や目標を失い、何かに挑戦しようとしても、行動する前から諦めてしまうことも少なくありませんでした。しかし、人間塾に出会ってからは、「すべての出来事には意味がある」と心から思えるようになり、「宇宙の言葉」に耳を傾け、運命に自分自身を委ねることができるようになりました。今回『アルケミスト』を読み、サンチャゴの旅は、私たち一人ひとりの人生そのものを映し出しているように感じられ、私自身もまた「宝物」を探す旅の途上にいるのだということを改めて認識しました。


いつもありがとうございます
いつもありがとうございます

 私は今月で大学院を修了し、今後、人間塾には修了生として関わることになります。在塾した4年間で学んだことを忘れず、「宇宙の言葉」に耳を傾け、一見遠回りに思える道であっても、その一つひとつの経験を大切にしながら、自分自身が歩くべき道を進んでいきたいと決意を新たにしました。

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