第12回ヤングセミナーレポート
人間塾第14期生 藤髙滉大
(東京大学大学院修士1年)
9月10日、夏休み明け初めてのセミナーが開催されました。今回は、新渡戸稲造の著書「武士道」の一部をもとに、教育や仕事における、金銭では計ることのできない価値について考えました。

「武士道」によると、かつての武士たちは、金儲けや蓄財を卑しいものとみなしていました。経済について口にすることは下品とされ、むしろ金銭の価値に疎いことさえ、育ちのよさの証とされていました。また、武士道では贅沢を避け、克己の精神を養うために倹約や節制が美徳とされました。武士は金銭や財産ではなく、自らを律する生き方を重んじていたのです。
克己や品格を重んじる価値観は、武士の教育にも表れていました。当時の教育では、知識を増やすだけでなく、品格を高め、学んだことを判断や実務に生かすことが重視されていました。そのような教育を担う教師の仕事は、神聖なものだと考えられていました。教師の役割は、知識を教えるだけでなく、教え子の品格や魂を育て、人生の師となることだったのです。しかし、品格や魂がどれほど育ったかを、具体的な数値で表すことはできません。それゆえ新渡戸は、教師の働きには、賃金や報酬だけでは計ることのできない価値があると考えたのです。
「武士道」が出版されてから、すでに一世紀以上が経過しています。それでは、現代を生きる私たちにとって、金銭では計ることのできない価値とは何でしょうか。私たち塾生には、人間塾を修了し、社会で働く先輩方と交流する機会が多くあります。先輩方が普段の仕事について話してくださるとき、その表情や言葉の端々から、仕事に対する強い想いや誇りが伝わってきます。

金銭では計ることのできない価値は人によって異なり、一つの言葉で表せるものではないと思います。ですが今の私にとって、それは「誇り」と呼べるものだと思います。誇りを持って仕事に取り組んでも、ただ目の前の仕事をこなしても、受け取る賃金は同じかもしれません。それでも、誇りを持って仕事に取り組むことには、成長する喜びや誰かに尽くす喜びなど、金銭では計ることのできないかけがえのない価値があると信じています。
いつか私も、自分の仕事について、人に胸を張って語ることができるようになりたいと思います。そのために、日々なすべきことに取り組み、誇りを持てる道を歩んでいきます。

また、今回のセミナーでは、人間塾の会員の皆様へお送りするニュースレターの封入作業も行いました。人間塾の活動をご紹介しておりますので、お手元に届きましたら、ぜひご一読ください。



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